機械システム工学科 学びの特色:1. 「機械 x 情報」技術者の育成
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機械のシステム化
モノづくりといえば「機械」と「電気」を思い浮かべるでしょう。高度経済成長時代、機械は電気と融合し、産業用ロボット、工作機械や自動車といった様々な機械が高性能化されました。これら「機電融合」した製品はメカトロニクス(Mechatronics,英語のMechanicsとElectronicsを合わせた造語)と呼ばれ、機械製品がメカトロニクスであることは常識となっています。
また、メカトロニクスでは機械と電気の上手な連動が求められることから、「機械システム」とも呼ばれるようになりました。システムとは、複数の要素が体系的に構成され、相互に影響しながら、全体として一定の機能を果たすものを意味します。
機電融合から機情融合へ
そして現在、情報革命により社会は急速に情報化しています。2000年前後のIT(Information Technology)革命に始まり、2010年代に入りネットワークがより整備されてスマートフォンなどの情報機器が普及するにつれ、あらゆるものがつながった「モノ」のインターネット IoT(Internet of Things) の概念が誕生しました。
そして2010年代後半より AI(Artificial Intelligence)技術の革新により、機械の情報化、すなわち「機情融合」に注目が集まっています。今では、機械を扱うモノづくりの現場ではどこでも情報技術者が求められています。
機械 x CPS -機械の特徴を理解し情報に精通した技術者の育成-
情報技術であるソフトウェア、計算機、通信はサイバースペース(Cyber Space:情報空間)を扱うものです。この情報技術がモノづくりの現場で使用されると、現実の機械システム=フィジカルスペース(Physical Space:物理空間)がサイバースペースに接続されてお互いに影響を及ぼし合うことから、CPS(Cyber Physical System)と呼ばれるようになっています。
CPS は IoT と異なり機械(物理空間)へのフィードバック作用を強く意識した情報系の概念であり、機情融合した機械システムを実現するために欠かせない考え方と言えます。CPS の考え方にもとづいたモノづくりのためには、機械側の特徴の深い理解が必要不可欠であり、機械と情報の学問を修めた「機械 x CPS」な技術者がこれから社会に求められていきます。
このように、機械システム工学科では、機情融合により高度に知能化した「機械システム」を開発できる、機械の特徴を理解しCPSに精通した技術者を育成します。