電子情報工学科 カリキュラム
電子情報工学科のカリキュラム
電子情報工学科では、電子情報工学を学ぶための基礎となる数学、物理学、プログラミングを学習した後、インターネットやモバイル通信等の情報通信システムに関する専門分野の技術を学ぶことにより、将来の全ての人・モノがインターネットにつながり、生産性の向上、より便利で快適な社会(ソサイエティ5.0)の基盤となるIoT(Internet of Things)を実現するための通信機器や通信・情報処理システムの開発・運用等の分野で活躍できる人材を育成します。
現在は、情報通信技術の進歩により、人がいつでもどこでもインターネットにアクセスし、自由に情報にアクセス、情報を発信できる時代となりました。IoTは、これがさらに進化し、人だけでなくモノもインターネットに接続され、現実社会の情報をネットワークに取り込み、人工知能(AI:Artificial Intelligence)と融合して、様々な新しいサービスが生み出されていきます。次世代のモバイルネットワーク、ロボットや自動運転、無人店舗などの様々な業務のディジタル化(ディジタルトランスフォーメイション)にも不可欠と考えられており、情報通信システムの開発、構築、運営や、セキュリティ、システム運用管理等ができる、幅広い電子情報工学の技術力を有する人材が不可欠とされています。本学科では、2 年次から3 年次にかけて、電子工学と情報工学の基礎、電子デバイスの動作原理から大規模情報システムの基本技術まで、幅広い分野の技術を系統立てて学びます。また、4 年次の卒業研究では、実際の電子情報技術の研究テーマに取り組み、学んだ技術を課題発見能力と課題解決能力を養います。
1年次 理学の基礎知識と論理的思考能力を習得
主専攻および副専攻の技術を深く学ぶための素養を身につけます。具体的には、数学、物理学、プログラミングの講義と演習を通じ、理学の基礎的な知識と論理的思考能力を習得します。
2年次 電子情報工学の礎となる知識と技術を習得
必修科目である講義・演習・実習を通じ、電子デバイスの動作を理解するのに必要な基礎知識、それらをコンピュータと接続する際に不可欠となる情報ネットワークの知識と技術を習得します。
3・4年次 電子情報工学の発展的な知識と技術を習得し、卒業研究へ
選択科目である講義を通じて、電子情報工学の発展的な知識や技術を興味に応じて習得します。そして、電子情報工学演習や卒業研究を通じて、技術適用能力を完成させつつ、技術創造能力を育てます。さらに、副専攻科目と卒業研究を通じて、副専攻の分野と電子情報工学との技術統合能力を身につけます。
副専攻制 技術の最先端で求められる「Π( パイ)型人材 」になるために。
技術の最先端では、複数の専門技術を持ち、それらを組み合わせて問題解決ができる「Π(パイ)型人材」が求められています。電子情報工学科では、所属する学科に加えて他学科を1つ選び、2つの専門分野を学べます。教員も学科の垣根を越えて協力し、学生の学びを支援します。
副専攻の学科の重要科目を系統的に学習し、仕上げとしてその学科のPBL実践演習で、実践的な問題解決に取り組みます。この経験を踏まえて4年次には、電子情報工学科で卒業研究を実施します。副専攻の技術を適用して主専攻の問題を解決したり、副専攻の問題から主専攻の技術の応用例を見つけたりするなど、重層的な技術力が身につきます。
副専攻としてソフトウェア工学科を選ぶと、、、
例えば、セキュアシステム開発運用。安全安心な情報社会を支えるソフトウェアや情報システムの開発運用技術が身につきます。
副専攻としてデータサイエンス学科を選ぶと、、、
例えば、ネットワーク運用管理。データ分析技術を利用した不正通信検出などのネットワーク運用管理技術が身につきます。
副専攻として機械システム工学科を選ぶと、、、
例えば、ネットワーク機器開発。電子情報工学を用い、情報ネットワークを活用したIoT時代の機械システム開発技術が身につきます
専門科目ピックアップ

理工学概論( 電子情報工学)
電子情報工学は社会のさまざまな製品やサービスに応用されています。この授業では、これらの応用例の解説を通して、電子情報工学の目的と意義を学びます。また、電子情報工学を修める上で不可欠な、基本的な物理量に関する実験手法ならびに測定値の解析手法を習得します。

ネットワークプログラミング
IoT システムでは、遠くにあるモノの制御や監視、モノ同士の対話を行うために、ネットワークを介した通信を行います。この授業では、IoT システムの実現に必要なソケットプログラミングの演習や、ネットワークを解析して得た情報をもとにより適切なプログラムを作成する技法を習得します。

情報セキュリティI・Ⅱ
インターネットショッピングやSNSでの情報発信など、ネットワークを介した活動を私たちが安心して行えるのは、様々な情報セキュリティ技術が私たちの大切な情報を守ってくれているおかげです。この授業では、情報社会に存在する脅威と、それらの脅威から大切な情報を守るための技術を幅広く学びます。

電子通信工学
オームの法則などの電気・電子回路の基本法則の知識をもとにして、より実用的な電子通信システムへの工学的アプローチを学びます。物理世界とコンピュータ・ネットワークの世界を接続する各種センサ・アクチュエータの動作原理、電気信号を取り扱うための電子回路技術、適切に情報を抽出するための信号処理の数理を学びます。
研究室・卒論
研究テーマ例
- 無線電力伝送の応用技術に関する研究
- 車載レーダにおけるレーダ間干渉低減技術の研究
- 電磁波と生体の相互作用評価
- 分散システムにおけるシステムソフトウェアの研究
- 制約をもつ流れ図とプログラミング言語への応用
- セキュアソフトウェアのためのプログラム解析技術
- 形式システムによる証明構造の分析
卒論テーマ例
- ギターエフェクターへの無線給電の実装と評価
- ポケット内のモバイル機器の充電のためのワイヤレス給電ベルト
- 野球における通信機器を用いたサイン伝達システムの開発
- サブキャリア周波数分割を用いた光アクセスネットワークの高速化
- エッジコンピューティングにおけるコンテナ配置の最適化
- 可逆プログラミング言語ROOPL++ のインタープリタの実装及び言語機能の拡張
- 時間論理Ktの完全性