学科 野呂研究室
野呂研究室
ソフトウェア技術の進歩とさらなる効率化
機能も構築法も進化し続けるソフトウェア
たとえば、スマートフォンの画像をより美しく表示するために、従来、メールや通話など全機能を含めた大きなひとつのプログラムを1から書き換えるという非効率的なやり方でした。しかし、短期間でバージョンアップを繰り返すスマートフォンや家電を支えるソフトウェアには、より変更に強い構造が必要です。変更には、機能そのものを変更する「機能要求」と、今までにあった機能の質を変更する「非機能要求」があり、近年ではそれらの要求に即応し得る、新しいソフトウェアの開発手法が主流になりつつあります。それが「オブジェクト指向」と「アスペクト指向」。「オブジェクト指向」は、画像なら画像、メールならメールと、関連するデータとその手続きをひとつのまとまりとして管理し、開発を進める方法。そして「アスペクト指向」は、オブジェクト指向でも切り分けることが困難な、複数箇所を横断している機能を、アスペクトという新たな枠組みに閉じ込める方法です。こうした方法を活用することで開発の質と速度は劇的に向上します。研究室でもスマートフォンと自動販売機を連動させ、スマートフォンを操作するだけで商品選択から支払いまでできるシステムの開発などを進めています。このように、日々進化するソフトウェアの技術。私は現在、プログラムの意味を機械的に扱い、動作させる技術の研究に取り組んでいます。これまでの不可能を可能に変えていく試みに、ぜひ皆さんも挑戦してください。
担当教員
野呂 昌満 教授
〔専門分野〕
ソフトウェア工学