電気電子工学:無線電力伝送

電気的小形の開路型アンテナからなる共鳴方式無線電力伝送系を提案し, 閉路型アンテナ系に対する 双対性を完全に満たすように一般理論を改良して特性評価を行った. 偶奇モード励振に対する共振周波数と 反共振周波数, 及び低周波キャパシタンスを基礎データとして, 自由度5の等価回路, 影像インピーダンス, 電源有能電力に対する受信電力の比として定義される電力伝送効率などを求めた. 開路構造は閉路構造に比して小形化が容易で, 応用上のメリットが多い. 接地導体板を有するヘリカルモノポール系はEMC, EMIの問題を軽減し, 同軸線路からの直接給電が可能である. 高精度の測定が可能であり, 並置型の場合に対してシミュレーションと実験の良い一致を確かめた. 対面型は電気自動車のワイヤレス充電に有望である. 接地板を有しないヘリカルダイポール系は 偏心給電のアンテナ技術が応用でき, ポートインピーダンスが任意の送信機と受信機の間の インピーダンス整合が可能である. 以下のあらましより引用 稲垣直樹, 丸地智博, 奥村康行, 藤井勝之, “ 開路型共鳴方式無線電力伝送系の提案と改良等価回路による特性評価, ” 電子情報通信学会論文誌B, Vol. J95-B, No. 4, pp. 576-583, 2012年4月.