電気電子工学:人体と電磁波の相互作用評価

高度情報化社会が進む中, いつでも, どこでも, 容易に情報を入手できる状況が求められている. それに伴い, IoT(Internet of Things)や ITS(Intelligent Transport Systems)等の言葉が世の中の ホットワードとなっている. これらは無線通信システムと非常に密接な関係があり, 電磁波の出入り口となるアンテナの設計が重要となる. アンテナは電磁波を送受信するために 必用不可欠であり, 実生活においても使用用途に応じた形で溶け込んでいる. その中で, 私たちの研究室では, 通信・無線工学を大きな研究のテーマとし, さまざまな研究を行っている. 一例を挙げると, 自動二輪車に搭載された ホイップアンテナに関する研究である. 自動二輪車に接地されたアンテナでは自動車と異なり, 人体が静電遮蔽された車内にあらず, むき出しの状態であるため, アンテナと人体の相互作用を考慮しなければならない. 人体がアンテナの近傍にある場合, アンテナの放射特性や回路特性にも変化が現れる. そこで, FDTD(Finite Difference Time Domain)法や モーメント法などの数値電磁界解析手法を用い, それらの特性をシミュレーションする. さらに, 実験室や屋外に行き, 実際にアンテナを 試作・評価することで, 設計・開発の達成感も味わうことができる.