通信工学:人体を用いた通信方法

近年, コンピュータを「着用」することにより, いつでもどこでも情報をやりとりできる ウェアラブルコンピューティングの研究が盛んに行われている. 例えば, IDなど個人的なデータを ウェアラブルコンピュータに格納して持ち歩き, 必要に応じてユビキタスコンピュータと通信を行うことが 可能となる. このような個人内での情報端末同士のネットワークは Personal Area Network (PAN)と 呼称されている. PANの通信方式として, 人体を伝送路として利用する概念がマサチューセッツ工科大学の T. G. Zimmerman氏によって提案されている. 人体を伝送路とすることにより, 伝送線の必要がなく人間の自然の動きの中で通信が可能である. 本研究では, その信号伝送メカニズムを解明することに 主眼を置いている.