情報技術のその先へ

身近にあるさまざまなものがインターネットにつながり、相互に通信するIoTの進化がめざましい時代です。IoTなしでは未来の社会は考えられなくなっています。そのIoTを支えるのが「ソフトウェア」「データサイエンス」「情報通信」「機械システム」です。ソフトウェア工学とデータサイエンスがAI技術を支え、情報通信技術と機械システム技術が新たなモノの価値を生み出します。南山大学では副専攻制を取り入れ、異なる2つの分野の専門を究めた未来のIoTを創造する技術者の育成に取り組んでいます。

理工学部の特長理工学部の特長

  • 特長1
  • 主専攻と副専攻で
    2つの異なる専門を学び、
    多角的な視点と技術を
    身につける
  • これからの世の中に必要とされる技術者とは、2つの専門性を持ち、複雑な課題を解決できるΠ型(パイ型)人材です。南山大学理工学部では所属学科の専門領域に加えて、他学科を1つ副専攻として選び、その専門領域についても学びます。2つの専門性を身につけ、多様な技術を組み合わせた新たな価値を創り出す創造的技術者を育てます。

主専攻×副専攻の研究例

  1. ソフトウェア工学
    ×
    電子情報工学

    IoTデバイスの
    無線制御
  2. 機械システム工学
    ×
    データサイエンス

    運転データを利用した
    エネルギー消費の最適化
  3. データサイエンス
    ×
    ソフトウェア工学

    人工知能を用いた
    プログラミング支援
  4. 電子情報工学
    ×
    機械システム工学

    セキュアな無線通信による
    機械システム制御
  • 特長2
  • プロフェッショナルな
    技術者を
    育てる
    充実した教育環境
  • 理工学部の学生は入学直後から最新のノートPCを貸与され、日々の学びや調査、研究に活用します。理工学部はプログラミング教育も充実。1年次の「プログラミング基礎」「プログラミング応用」の授業は、丁寧な指導に加えてティーチング・アシスタントの支援があり、基礎からプログラミングを学べます。また、文部科学省の「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基礎レベル)」に準拠した教育プログラムを提供。数理・データサイエンス・AIの基礎や、それを応用して問題解決を行う力が身につきます。
  • 特長3
  • 3年次4月という
    早期からの研究室配属で
    研究力を高める
  • 多くの大学では4年次から研究室に配属されますが、南山大学理工学部では3年次の4月から配属。研究室では専門を同じくする仲間や上級生とともに教員から研究指導を受けます。早くから本格的な専門知識・技術にふれることで、4年次の卒業研究では充実した研究に取り組むことができます。
  • 特長4
  • 未来の理工学を
    切り拓く、学部・大学院の
    一貫教育
  • 理工系の技術者に求められる専門性と技術力を身につけるため、大学院に進学することは普通のことになりつつあります。南山大学理工学部に併設の大学院理工学研究科では、2025年4月に体制を一新し、学部から大学院まで連続したカリキュラムを実現。理工学部の各学科から対応する大学院の専攻に進学することによって、基礎から無理なく専門性を高め、研究力を身につけることができます。
  • 特長5
  • 学部から大学院博士
    前期課程までを
    通常より1年早く
    修了できる早期卒業制度
  • 一定の成績要件を満たす学生は、早期卒業制度に申請できます。この制度では、理工学部を3.5年で卒業し、大学院理工学研究科の博士前期課程(修士課程)を1.5年で修了。通常より1年短い5年間で修士の学位を取得し、専門的な技術者として社会に出ることができます。

理工学の未来を切り開く4学科理工学の未来を切り開く4学科

Department of Software Engineeringソフトウェア
工学科

人と情報技術の
よりよい関係を見つめ、
今までにない「便利」や
「安全」を創造する

学科特色

  • 自動車や家電、スマートフォン、パーソナルコンピュータなど、様々な製品に組み込まれるソフトウェアは、私たちの生活や社会を劇的に発展させ続けています。本学科では、プログラミング技術の習得に留まらず、利用者のニーズを的確に反映する方法や、無駄のない開発手順の構築法などソフトウェアの開発スキルを総合的に学習。ソフトウェアのあり方を考え、その企画・開発・研究・活用について深く学びます。
  • 取得できる資格

    ●高等学校教諭一種免許状(情報)
    ●博物館学芸員 ●司書 ●学校図書館司書教諭

授業Pickup

  • ソフトウェア工学基礎

    開発の最初のステップである、どのような機能を実現したいのかを整理する要件定義から、開発後の保守・進化までの流れを学びます。実際に分析・設計にも挑戦。私たちの生活におけるソフトウェア工学の意義について考えます。

  • ソフトウェア開発技術

    要求工学、設計技術、品質と検証、運用、保守など各ステップにおいて、開発者に求められることや作業を知り、必要とされるスキルを身につけます。使う人の立場に立った情報機器との対話方法や表現技術についても学びます。

卒業研究の例

  • 機械学習を用いた
    非機能要求の分類方法

    Outline

    ソフトウェア開発における発注側の要求を正しく理解するために、性能効率や使いやすさ、セキュリティなどの非機能要求を開発文書(要求仕様書)から抽出、機械学習を用いた分類方法を提案します。

  • コンテキスト指向に基づく
    スマート家電制御システムの開発

    Outline

    異なるメーカーのスマート家電の様々なデータを共有して、利用者や環境情報に合わせて振舞いを変化させるスマート家電制御システムの開発方法を提案します。エアコンの温度・湿度調整などを例に評価します。

  • スマートフォンアプリケーションの
    レビューの分析

    Outline

    スマートフォンアプリケーションのユーザレビューは、開発者にとって今後の開発の方向性を決めるための重要な参考意見になります。ソフトウェアの品質の観点からレビューを分析する方法について考察します。

  • チャットボットを利用した
    プログラミング学習者に対する支援

    Outline

    プログラミング学習において、行き詰まった学習者を支援するチャットボットを提案します。学習者のつまずいている箇所を判定するための質問を行い、解決のヒントを提示します。

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Department of Data Scienceデータサイエンス
学科

問題の発見から
解決まで取り組むための
数理技術適用力を
育成する

学科特色

  • データサイエンス学科では、数学と情報科学の基礎の上に数理技術からなるデータサイエンスを修め、経営・環境・交通等に関するビッグデータの分析と機械学習などを活用して、多様な組織体において問題の発見から解決までの過程を支援できる人材を育成します。本学科ではオペレーションズ・リサーチと統計学を基礎として、機械学習とビッグデータ解析について学びます。様々な専門分野をもつ教員が有機的に連携し、企業との共同研究も積極的に行いながら、確かな基礎力に基づく柔軟で高度な応用力を養っていきます。
  • 取得できる資格

    ●中学校教諭一種免許状(数学)
    ●高等学校教諭一種免許状(数学)
    ●博物館学芸員 ●司書
    ●学校図書館司書教諭

授業Pickup

  • OR概論

    問題解決のための学問と呼ばれ、企業などの組織における意思決定にも利用されるオペレーションズリサーチの基礎を学びます。線形計画法、待ち行列、シミュレーションを知り、問題解決の手順、考え方を理解します。

  • ビッグデータのための統計

    さまざまな領域で利用されているビッグデータ解析に必要不可欠な統計手法やデータの分類などを学びます。経営に関する実データや地球規模の環境データにも触れながら、実践的な解析にも挑戦します。

卒業研究の例

  • GANを用いた
    複数の特徴を持つ
    顔画像の生成

    Outline

    敵対的生成ネットワーク(GAN)と呼ばれる機械学習の手法を用いて、指定された特徴を持った顔画像を作成します。

  • マルチエージェント
    シミュレーションを用いた
    規制退場の順序の決定

    Outline

    大規模イベントが開催される会場から観客が退場する状況について考え、シミュレーションによって、最短時間で全員が退場できる方法について検討します。

  • ベイジアンネットワークの
    性質に関する研究

    Outline

    ベイジアンネットワークは、ビッグデータ時代の因果関係の推測方法として様々な分野で応用されています。しかし、結果として示される因果関係が安定しているかは分かっていないため、シミュレーションを用いて研究します。

  • コンビニスイーツに対する
    感性の統計的分析

    Outline

    モノづくりは大量生産から個々人に合わせたものに移ってきています。人が製品をどのように捉えるかは感性工学という分野になりますが、コンビニスイーツを題材にどのような感性があるか分析します。

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Department of Electronics and Communication Technology電子情報
工学科

最先端の
電子デバイスから
大規模な情報システム
までを系統的に学ぶ

学科特色

  • スマートフォンやPCはもちろんのこと、家電や自動車、腕時計や指輪までもがネットワークを介して通信する現代。これらスマートデバイスとそれらをつなぐ情報システムが、人間社会のあり方を大きく変えてきています。本学科では、電子工学と情報工学を基礎として、最先端の電子デバイスの動作原理からクラウドのような大規模情報システムの運用技術までを、幅広く系統立てて学習。変わりつつあるこの世界をリードし、活躍できる技術者を育てます。
  • 取得できる資格

    ●博物館学芸員 ●司書

授業Pickup

  • ネットワークプログラミング

    モノの制御や監視などネットワークを介した通信を行うIoTシステム。その実現に必要なソケットプログラミングやネットワークを解析して得た情報をもとに、より適切なプログラムを制作する技法を習得します。

  • 情報セキュリティ

    インターネットショッピングやSNSでの情報発信などに欠かせないセキュリティ技術。これらの機能がどのように実現され、利用可能なのかを学習。情報社会に存在する脅威から情報を守るための技術を学びます。

卒業研究の例

  • 光ブロードバンドの
    通信速度の高速化

    Outline

    現在、1Gb/sや10Gb/sの通信速度で使われている光ブロードバンドに対し、さらに10倍以上の高速化を目指して、現状のシステムから移行する技術の提案と評価を行います。

  • エレキギター用エフェクターへの
    無線給電の実装と評価

    Outline

    電源コードに接続されたギターエフェクターのレイアウト自由度を高めるため、無線給電技術の実装と評価を行います。

  • エッジコンピューティングに
    おけるコンテナ配置の最適化

    Outline

    エッジ用に拡張したコンテナ管理システムによりアプリケーションに応じた最適なコンテナ配置を実現します。

  • 公開ポリシーを考慮した
    データ交換
    フレームワークの開発

    Outline

    各組織がもっている情報公開ポリシーに違反することなく、適切に組織をまたいだ情報共有ができるための基盤技術を開発します。

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Department of Mechanical Engineering and System Control機械システム
工学科

ロボットから
航空宇宙機まで
モノに知能をあたえる
基礎技術を学ぶ

学科特色

  • 私たちの暮らしをより豊かに、便利にしてくれるモノづくり。現代では、モノ(ハードウェア)の動きを理解する理学とともに、その制御を実現するための工学と情報技術(ソフトウェア)の知識が不可欠です。本学科では、モノづくりの土台となる「理学の基礎」と、それに対し社会に役立つ知能をあたえるための「工学知識」、製品を正確かつ効率的に作動させる「情報技術」を有機的に学習。自動車、ロボット、航空宇宙、環境などの幅広い分野において、機械システム工学を熟知した技術者を養成します。
  • 取得できる資格

    ●博物館学芸員 ●司書

授業Pickup

  • 機械制御プログラミング

    プログラムの位置づけ、利用方法やデータを可視化する方法を習得。移動ロボットを題材に制御系を実現するハードウェアやC言語によるプログラミング、設計の共通基盤となる制御系CADを用いたプログラミングを学びます。

  • ロボット工学

    ロボットアームなどの機械を題材に、各パーツの役割やその組み合わせが生み出す複雑な動きの仕組みを解明することを通して、運動学や動力学を吸収します。法則や原理を理解し思い通りにロボットを動かす技術を身につけます。

卒業研究の例

  • モーションキャプチャを
    用いた小型車両の
    自動走行制御

    Outline

    外からのカメラ情報を利用して、正確な経路走行を行ったり複数車両が距離を保って走行するなど、自動運転技術を開発します。

  • ハプティクスデバイスを用いた
    ロボットアームの制御

    Outline

    人がものを操作する時のように、ものから伝わる力、振動、動きなどを操作者に与えることで、ロボットの遠隔操作が直感的に行えるような制御システムを構築します。

  • 乗り心地改善のための
    アクティブサスペンションの
    ロバスト制御

    Outline

    自動車内にいる人は車から受ける特定の振動周波数を不快に感じます。これを積極的に抑制する制御システムを構築します。

  • 安定多様体を用いた
    非線形最適制御による
    飛行制御系設計

    Outline

    空力特性をデータで与えこれを数学モデルに取り込むことで航空機の運動を実現し、高い安定性と運動性能を両立する制御システムを構築します。

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確かな力でより高いステージを目指す確かな力でより高いステージを目指す

科学技術の進歩や人々の生活の多様性により、理工学分野の企業から求められるのは「モノやシステムを作る能力」から「必要なモノやシステムを考え、生み出す能力」へと変わりつつあります。南山大学理工学部では、世界をリードする優良企業への就職、教員採用試験への挑戦、そして大学院への進学まで、学生一人ひとりの希望や適性に合わせてきめ細かくサポートしています。

2023年度業種別就職状況

2023年度規模別〈資本金別〉就職状況

卒業生就職実績(2020~2023年度卒業生実績)

卒業生就職実績(2020~2023年度卒業生実績)

※学科改組前の旧学科名

理工学部

アイシン、アイシン・ソフトウェア、愛知県教育委員会、愛知県人事委員会、アドヴィックス、イビデン、SRA、SCSK、NTT西日本、NTT東日本、NDS、大垣共立銀行、オークマ、花王、京セラ、共立コンピューターサービス、小糸製作所、シーアールイー、JR東海、ジェイテクト、シーキューブ、シンフォニアテクノロジー、Sky、スズキ、SUBARU、住友電装、住友理工、大和ハウス工業、中電シーティーアイ、デンソーウェーブ、デンソーテクノ、東海ソフト、東海理化電機製作所、豊田合成、トヨタシステムズ、トヨタ自動車、豊田自動織機、トヨタテクニカルディベロップメント、トヨタ紡織、豊通シスコム、豊橋市役所、バッファロー、浜松市役所、富士ソフト、船井総合研究所、プライムアースEVエナジー、マキタ、丸紅ITソリューションズ、三重県教育委員会、三井住友銀行、三菱電機、三菱電機ソフトウエア、ミネベアミツミ、村田機械、メイテツコム、ヤマザキマザック、ヤマハ発動機、LIXIL、YKK AP ほか

大学院理工学研究科博士前期課程

アイシン、アドヴィックス、イビデン、SRA、SCSK、NHK、NTTドコモ、NTT西日本、岐阜県教育委員会、京セラ、KDDI、シーアールイー、JR東海、ジェイテクト、シマノ、住友電装、中電シーティーアイ、デンソー、東海理化電機製作所、トヨタ自動車、豊田自動織機、トヨタテクニカルディベロップメント、トヨタ紡織、豊通シスコム、日立製作所、FUJI、富士ソフト、富士通、プライムアースEVエナジー、毎日放送、マキタ、三菱重工業、三菱電機、三菱UFJ銀行、村田機械、ヤフー、ヤマザキマザック、ヤマハ発動機、LINE ほか