タイトル

南山大学数理情報研究科・数理情報研究センター オープン・リサーチ・センター
「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」
2009年度第5回公開研究会

 内容

南山大学数理情報研究科・数理情報研究センターでは、文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」として、研究プロジェクト「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」を行っています。その2009年度第5回公開研究会を以下のとおり開催いたします。研究者、実務家の方々の参加をお待ちしています。

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■日時:2010年3月12日(金)14:30〜17:40
■場所:南山大学サテライトキャンパス
     〒461-0005
     名古屋市東区東桜2-10-10
     Phone/052-939-3380
     地図は以下のWEBページをご覧ください。
     http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/access.html#03
■問い合わせ先:南山大学数理情報研究センター
〒489-0863
瀬戸市せいれい町27番地
Phone/0561-89-2081
E-mail/suuri-common@nanzan-u.ac.jp
■主催:南山大学数理情報研究科・数理情報研究センター
     オープン・リサーチ・センター
  共催:南山学会
■プログラム
<14:30−14:40>
文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」、「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」研究プロジェクトについて 
研究プロジェクト代表者 伏見 正則氏(南山大学情報理工学部教授)

<14:40−16:00>
「鉄道利用者に着目した捕捉フロー最大化問題とその拡張」
田中 健一氏(電気通信大学電気通信学部システム工学科助教)
概要:
  本発表では、施設配置問題の一種である捕捉フロー最大化問題を取り上げ、鉄道利用者行動に着目した一般化モデルを提案する。捕捉フロー最大化問題は、交通網上の移動者(フロー)を需要と捉え、移動経路上に施設が存在する利用者数を最大化するように施設を配置する問題である。この問題は近年盛んに研究されており、様々な変形モデルや一般化モデルが提示されているが、鉄道網上の移動者を対象とした研究は十分になされていない。鉄道利用者にとって、出発駅や目的駅および乗換駅などに存在する施設は、途中通過駅に存在する施設よりもアクセスし易い。本発表では、フローの捕捉割合が施設立地駅の種類(出発駅、目的駅、乗換駅、途中通過駅)によって異なる構造を導入した一般化モデルを提示し、大都市交通センサスデータを用いた実証分析を行う。後半部では、時間軸を導入した拡張モデルを紹介する。具体的には、通勤帰宅途中に施設に立ち寄り一定時間サービスを受ける利用者を想定し、サービスを利用可能な人数を最大化するようなサービスの提供場所と開始時刻を同時に決定する問題を考える。この問題の整数計画問題による定式化と発見的解法を示し、首都圏鉄道網データを用いた実データ解析を行う。

<16:20−17:40>
「インフラストラクチャーをめぐる今日の話題
     ――日本GIF研究財団と日本OR学会の共同研究会――」
柳井 浩氏(慶應義塾大学名誉教授)
概要:
  日本OR学会は日本GIF研究財団と共同の研究会をもち、現代文明を構成するインフラストラクチャーの問題をさまざまな局面から取り扱っており、その研究は継続されている。それを含むこの分野の約30年間にわたる研究活動の経緯の概略を紹介する。
1970年代のおわり頃は、東西は冷戦の真っ最中であった。米ソは軍備拡張に狂奔し、低開発国は出口を見つけることが出来ず貧困にあえぐ、いわゆる南北問題の中にあった。土光敏雄OR学会元会長、森口繁一OR学会元会長らは、三菱総研の中島正樹社長らとDK会を結成その解決の糸口をさぐった。中島正樹氏は第三世界の要所に巨大なインフラを建設してケインズ的効果をねらうことを考え、森口繁一氏はQCやITという技術によって第三世界にてこ入れしようという考えをもった。
森口氏は日本OR学会に研究部会「第三世界とマイコン」を設立、この線での研究を立ち上げた。その後、この研究会のメンバーがコアとなって、いくつかの研究会が科学研究費助成金を受けてアドホックな形で結成され、研究がつづけられた。
一方、中島氏の構想は、1990年日本GIF研究財団という形で活動が展開されることになった。そのとき以来、日本OR学会と同研究財団は共同の研究会をもち、この問題の多面的な研究活動を展開するとともに、研究者の幅を広げ、後継者となるべき若手研究者の育成することに努めてきた。
今日、当初の問題のいくつかには解消・解決されたものもあるが、他は依然として未解決であるし、また、時代の変遷とともに新しい、これまでとは異質の問題も登場している。いずれにせよ、インフラストラクチャーは人類文明を構成する要素として永遠の問題である。特に、現代における人類の活動規模の拡大は、地球の自然環境を最大のインフラストラクチャーとして考察の対象に加えなければならないところに来ている。今後とも研究の発展が望まれる。

<18:00−20:00>
懇親会(懇親会に参加される場合のみ懇親会費が必要となります。懇親会費:6,000円程度を予定)
会場は当日ご案内いたします。懇親会にご参加の方は、数理情報研究センター
suuri-common@nanzan-u.ac.jp)宛てにメイルでご連絡ください。