タイトル

南山大学数理情報研究科・数理情報研究センター オープン・リサーチ・センター
「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」
2009年度第2回公開研究会 『リニア新幹線のもたらす効果』

 内容

南山大学数理情報研究科・数理情報研究センターでは、文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」として、研究プロジェクト「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」を行っています。その2009年度第2回公開研究会を以下のとおり開催いたします。研究者、実務家の方々の参加をお待ちしています。

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■日時:2009年7月18日(土)14:00〜17:40
■場所:南山大学サテライトキャンパス
     〒461-0005
     名古屋市東区東桜2-10-10
     Phone/052-939-3380
     地図は以下のWEBページをご覧ください。
     http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/access.html#03
■問い合わせ先:南山大学数理情報研究センター
〒489-0863
瀬戸市せいれい町27番地
Phone/0561-89-2081
E-mail/suuri-common@nanzan-u.ac.jp
■主催:南山大学数理情報研究科・数理情報研究センター
     オープン・リサーチ・センター
  共催:南山学会
■プログラム
<14:00−14:05>
文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」、「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」研究プロジェクトについて 
研究プロジェクト代表者 伏見 正則氏(南山大学情報理工学部教授)

<14:05−15:05>
「欧州にMAGLEVを建設した際の航空機からの転換人数の推計」
鳥海 重喜氏(中央大学理工学部助教)
概要:
  本研究では、将来 Maglev(磁気浮上式鉄道)を欧州地域に建設した際に、航空機を利用していた人々がどの程度 Maglevに転換する可能性があるのかということを、ICAOの航空旅客流動データである "Airline On-Flight Origin and Destination" を用いて推計する。欧州地域の19都市を対象として、Maglevのルートを仮想的に設定し、航空機による所要時間とMaglevによる所要時間とを比較したうえで、所要時間の短い交通手段を選択するものとして転換人数を推計する。
  今回の論考では、まず、Maglevの走行速度と乗降時間をパラメータとして、それらが転換人数に与える影響を分析する。転換すべき人数は、当然Maglevの走行速度に依存し、速度が大きいほどに転換するであろうパーセンテージは大きい。さらに、路線別の利用者数を図示することで、地域的な特徴を把握することも試みる。

<15:20−16:20>
「高速輸送機関が都市活動施設の集積に与える影響―日本列島におけるバランス・メカニズム―」
本間 裕大氏(首都大学東京システムデザイン学部助教)
概要:
 新幹線は、日本を代表する高速輸送機関の一つであり、1963年に東京〜新大阪間で東海道新幹線が開通して以降、山陽新幹線、東北・上越新幹線、近年では長野新幹線、九州新幹線などが開業している。また、さらなる次世代高速輸送機関として、東京〜名古屋〜新大阪間を結ぶリニア中央新幹線計画も進行しつつある。
 これら高速輸送機関の開通が、当該地域間の相互交流をより活発にし、また発展・衰退に少なからず影響していることは想像に難くない。本研究では,“施設の魅力度が利用者数を決定し、また、利用者数が施設の魅力度を決定する” という相互連関を明示的に考慮したバランスメカニズムを日本列島へと適用する。このとき、全国鉄道ネットワークをモデルに組み込むことによって、高速輸送機関の敷設という大規模プロジェクトが社会的・経済的活動の集中に与える影響を考察することを試みる。主な知見として、シナリオ(パラメータ)の設定によっては、新幹線・リニア中央新幹線に代表される高速輸送機関の存在が、大都市圏への集中を、さらに加速させる可能性があることが明らかとなる。

<16:40−17:40>
「利用者の負担を最小化する高速鉄道路線の経路」
鵜飼 孝盛氏(南山大学数理情報研究科、数理情報研究センター博士研究員)
概要:
  本研究では、広く低速な移動手段が存在する国土に、新たに高速な輸送機関を建設する際、利用者の負担を低減する路線の決定について、現実のデータを用いて議論する。
 輸送機関は、人々や物資の流通、交流に欠かせないものであり、国土の開発の基盤となるべきものである。その影響力の大きさは、地域間相互の関係を変化させ、ひいては産業の構造にまで及ぶ。とりわけ、新幹線などにより所要時間が大きく短縮するような場合には、その効果は非常に大きく、上述のリニアモーターカーの経路については様々な意見が出ている。その中でも、代表的な意見として、東京と名古屋という大都市をできるだけ短時間で移動できるように直線的な経路にすべきだというものと、需要の多い諏訪地方を経由すべきだといったものがある。
 これらの意見は、それぞれ相応の説得力をもつものの、具体的にどの程度の人が恩恵を受けるかということを定量的に把握しているとは言い難い。本稿では、新規の高速路線を敷設した際、新路線を利用する人数や所要時間を現実の流動量データに基づいて推定し、利用者の負担が最小となるような新設路線の経路について議論する。

<18:00−20:00>
懇親会(懇親会に参加される場合のみ懇親会費が必要となります。懇親会費:6,000円程度を予定)
会場は当日ご案内いたします。懇親会にご参加の方は、数理情報研究センター
suuri-common@nanzan-u.ac.jp)宛てにメイルでご連絡ください。