タイトル

南山大学数理情報研究科・数理情報研究センター オープン・リサーチ・センター
「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」
2009年度第1回公開研究会 『防犯研究会』

 内容

南山大学数理情報研究科・数理情報研究センターでは、文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」として、研究プロジェクト「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」を行っています。その2009年度第1回公開研究会を以下のとおり開催いたします。研究者、実務家の方々の参加をお待ちしています。

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■日時:2009年6月10日(水)14:30〜17:30
■場所:南山大学サテライトキャンパス
     〒461-0005
     名古屋市東区東桜2-10-10
     Phone/052-939-3380
     地図は以下のWEBページをご覧ください。
     http://www.nanzan-u.ac.jp/Information/access.html#03
■問い合わせ先:南山大学数理情報研究センター
〒489-0863
瀬戸市せいれい町27番地
Phone/0561-89-2081
E-mail/suuri-common@nanzan-u.ac.jp
■主催:南山大学数理情報研究科・数理情報研究センター
     オープン・リサーチ・センター
  共催:南山学会
■プログラム
<14:30−14:40>
文部科学省「オープン・リサーチ・センター整備事業」、「都市の持続可能な繁栄のためのインフラストラクチャーの最適運用計画の策定と普及」研究プロジェクトについて 
研究プロジェクト代表者 伏見 正則氏(南山大学情報理工学部教授)

<14:40−15:55>
「ひったくりに対する不安とひったくりの発生の関係の分析経過」
吉田 哲氏(京都大学大学院工学研究科准教授)
概要:
  既成市街地の区画整理済街区と未区画整理街区が隣接する1小学校区の高齢者を対象にして、2008年度に実施した調査および分析経過について報告する。一般に区画整理済街区は道路は直線で道路幅も広いため、歩行中にあまり不安を感じることはなく、これとは逆に未区画整理街区の道路は、非線形で道路幅も狭いため、歩行中に先の方が見通せず、建物や樹木などで影ができやすく、また曲がり角などから突然人が曲がってきて驚くなどがあるなどの理由から、歩行者が歩行中に不安を感じることが多いと考えられる。これに対して、ひったくりは前者の道での発生件数が多い。ひったくり犯がひったくり実行後にスクーターなどで逃走しやすいなどがその原因であろう。先に挙げた小学校区居住の高齢者121名を対象として、33項目の不安と13項目の安心のヒアリング項目に対して、普段歩行することのある道路の中から、暗くて不安、人通りが少なくて不安と感じられる道路および通行時間帯や頻度を尋ねた。このデータ、および、ひったくりの有無のデータを用いて、ベイジアンネットワーク分析を行った。どのような不安・安心が感じられる道路で、ひったくりがあるのか、その確率はどの程度になるかについての分析経過の報告を行う。

<16:15−17:30>
「市街地における巡回パトロール経路の最適化に関する研究」
井上 雅樹氏(京都大学工学研究科)
概要:
 近年、都心部におけるひったくりなどの街頭犯罪が問題となっている。それゆえ、良好な都市環境を構築するためには、そのような街頭犯罪の抑止をすることで、よりよい治安を維持することがひとつの目標とされる。
 街頭犯罪の抑止に最も寄与してきたものが警察官による巡回パトロールであり、今後もそれが治安維持のための有効な手段として行われることが予想される。しかし、これまでのところ巡回パトロールの経路は警察官による勘や経験によって決められてきたことが多いと考えられる。将来、都市における治安状況の変化も予想され、パトロール経路の決定もそれにあわせて行わなければならない。
 そこで、本論文では最適パトロール経路の決定を行う問題を数理モデル化し、それを求める方法を提案することを目的とする。ここでは、都市ネットワークを無向グラフにモデル化し、その中で各辺にパトロールの重要性を表す重み(非負整数)が付されているとする。
 問題は、各辺をその重みの回数かそれ以上の回数重複してカバーするような、最適な順回路の集合を求める問題として定式化される。最適性の基準は巡回路の総長とする。このように数理モデル化された問題を解くことで、同時に複数人で行うパトロールプランを提案できると考えている。

<18:00−20:00>
懇親会(懇親会に参加される場合のみ懇親会費が必要となります。懇親会費:6,000円程度を予定)
会場は当日ご案内いたします。懇親会にご参加の方は、数理情報研究センター
suuri-common@nanzan-u.ac.jp)宛てにメイルでご連絡ください。