2021年度数学基礎論サマースクール
 数学基礎論サマースクールは, 数学基礎論の各分野における基本的概念や最近の結果を広く紹介することを目的として,毎年夏に開催されています. 2021年度は,「古典論理に限らない論理」(非古典論理)をテーマとして,数種類の〇〇論理を紹介します. 各論理は,入門的な話を中心とし,最近の結果などを適宜取り入れる形で紹介します.

日程.2021年9月2日(木)〜4日(土)
場所.オンライン開催

無事終了しました.講師のみなさん,参加いただいたみなさんに感謝いたします.
扱う「〇〇論理」と講師.
    0. 形式論理入門 90分×2回 佐々木克巳(南山大学)  
    1. 分離論理   90分×3回 中澤巧爾(名古屋大学)  
    2. 適切論理   90分×2回 関隆宏(新潟大学)    
    3. 部分構造論理 90分×2回 関隆宏(新潟大学)    
    4. 量子論理   90分×3回 河野 友亮 (フェリス女学院)

スケジュール.担当者が連続コマに配置されているときは,休憩のタイミングが変わることがあります.
  9:10- 9:20-10:50 11:05-12:35 13:30-15:00 15:15-16:45 17:00-18:30
初日 案内 佐々木1 佐々木2 中澤1 中澤2 予備
2日目   関(適)1 関(適)2 中澤3 河野1 予備
3日目   関(部)3 関(部)4 河野2 河野3 予備

各講演の概要.
 佐々木1(形式論理入門1):古典命題論理のいくつかのシークエント体系を紹介し,それらのよさを比較します.対応する直観主義論理の体系も紹介します.
 佐々木2(形式論理入門2):正規様相(命題)論理の公理系とその意味論であるクリプキモデルを紹介します.
 中澤1(分離論理1):プログラムの操作的意味論とホーア論理の基礎を紹介します.
 中澤2(分離論理2):ポインタプログラムの操作的意味論と分離論理の基礎を紹介します.とくに,再帰的データ構造を表現する帰納的述語を含む分離論理について解説します.
 中澤3(分離論理3):帰納的述語を含む分離論理に対するエンテイルメント判定問題について解説します.とくに循環証明体系と呼ばれる証明体系とその性質について紹介します.
 関1(適切論理1):適切(命題)論理のいくつかの論理と基本的な結果を紹介します.
 関2(適切論理2):適切論理の Kripke 型意味論である Routley-Meyer 意味論を紹介します. また,この適切様相論理への応用について簡単に紹介します.
 関3(部分構造論理1):さまざまな部分構造論理について概説し,特にシークエント計算により 定義される部分構造論理の構文論を紹介します.
 関4(部分構造論理2):部分構造論理の意味論と基本的な結果について紹介します.
 河野1(量子論理1):量子論理の背景,量子論理の背景の理解に必要な部分の量子力学,量子論理のモデルや演繹体系の基礎を解説します.
 河野2(量子論理2):引き続き,量子論理のモデルや演繹体系の解説をします.また,量子論理上の特異な性質や諸問題,他の論理との比較,等も解説します.
 河野3(量子論理3):量子論理を発展させた,より表現能力が上がった論理について解説します.
数学基礎論サマースクールのページ

世話人:佐々木克巳(南山大学理工学部) mail: sasaki[ at ]nanzan-u.ac.jp

最終更新日:2021/9/4