2011年度卒業論文要旨集の発刊にあたって
〜卒業研究発表会,開会式挨拶から〜


 この発表会は,卒業研究の成果を伝える機会であることはもちろんですが,卒業研究の過程で実感した喜びをもう一度実感する機会でもあります.

 具体的な喜びを,2つ挙げておきます.1つ目は,目標達成の喜びです.研究の過程で努力した度合いの高い人ほどその喜びは大きいはずです.それは,達成した事実そのものが,それまでの努力を肯定するからです.2つ目は,発見の喜びです.皆さんは,研究の過程で,多くのことに気づき,多くのことがわかったと思います.そのようなときに感じるのが発見の喜びです.気づきにくいこと気づいたとき,目標に役立つことに気づいたときはその喜びも大きいことでしょう.

 このような喜びの要因,すなわち,努力の過程や発見したことは,皆さんの研究成果の中でも重要な部分だと思います.今日の発表の内容にも盛り込まれているはずです.今日の発表では,それらの要因を強調してください.そして,強調できたことを自分の中で確認してください.このことが,その喜びをもう一度実感することになります.また,質問・コメントの時間に,この要因についてふれられたのなら,皆さんがよいと思ったことが,他の人からも評価されたことになります.大きな喜びを感じることができるでしょう.

 さらに,この喜びは今回の発表会に終わるものではありません.次のステップの動機付け,そして,これからの人生の財産にもなります.より具体的には,達成の喜びは,自分の自信をもつことにつながり,発見の喜びは,皆さんの知的好奇心を大きくするでしょう.

 今日の発表会では,みなさんがこのような喜びを実感することを願っています.


情報通信学科長
佐々木 克巳
2012年1月13日