2009年度卒業論文要旨集の発刊にあたって
〜卒業研究発表会,開会式挨拶から〜


卒業研究は,大学で4年間にわたって学んだ情報通信に関わる授業や演習の総決算です.皆さんにとっては, 卒業研究を進める上で,多くの教科の内容を総合的に捉えなおす時間を持つ良い機会になったことと思いま す.我々教員は,卒業研究報告作成を通じて,数学や英語の基礎学力の重要性の再認識,物事の論理的な分 析,演習書に書かれていない新しいプログラム作成の困難さと楽しさ,説得力のある文章執筆や丁寧な図表作 成によって「自分の考え」を相手に伝えることの重要性などを,皆さんが実感することに期待しています.

特に研究成果の発表を通じて,自分が理解した研究内容を説明するというだけではなく,聞き手に内容を理 解してもらうことの難しさを実感して貰えればと考えています.

ところで,しっかりと相手に伝えるために,あまり多くのことを盛り込みすぎず,例えば,以下のような3 点程度にポイントを絞った発表ができたでしょうか.

1)先行研究では,何がどこまで行われたのか?
2)自分達の研究では,何をどのように解決したのか?
3)先行研究と自分達の研究の違いは何か?

なお,教員は,皆さん方が手際よく説明できなかった点,つまり,皆さん方がうまく伝えることができな かった点を中心に質問をしています.ですから,時間内で話し終えることに加えて,卒業研究の成果をうまく 伝えて理解して貰うことを考えながらポイントを絞って発表することが必要なのです.

また,自分達の成果を発表するだけではなく,他の学生が全力で発表する研究成果を聞くことで,幅広い知 識を身に付けて貰えればと考えています.

今後,皆さんの発表経験が,自分の考えを相手に伝え対話を重ね理解を深めることへと役立つことに期待し ています.


情報通信学科長
河野 浩之
2010年1月15日