電子情報工学科 教員・研究室:梅比良 正弘
IoT時代を支えるワイヤレスシステムの研究開発
電波を用いて情報伝送やセンシングを行うワイヤレスシステム
将来は、全ての人、モノが通信ネットワークにつながり、より豊かで便利な社会を実現する「IoT(Internet of Things)」の時代と言われています。これを実現する重要な要素として、電波を用いて情報の伝達を行う携帯電話、無線LAN等のワイヤレス通信や、電波を用いてターゲットとの距離や速度などをセンシングするレーダ等の様々なワイヤレスシステムがあります。
限られた資源である電波の周波数を効率的に利用するために
土地と同じように、電波の周波数は、混信とならないよう、ある場所、時間では一人しか使うことができない有限な資源であり、ワイヤレスシステムには周波数を効率的に利用することが求められます。 次世代の携帯電話(Beyond 5G/6G)などのワイヤレス通信では限られた周波数でさらに高速に大容量の情報を効率よく送る技術、自動運転に用いるレーダでは、多くの車がレーダを利用した場合に発生するレーダ同士の混信の問題を解決する技術(図を参照)の開発が求められています。「電波」を用いて通信やセンシングを行う仕組みを理解するには、電波がどのように空間を伝搬していくのか、大量の情報を伝送するための方法や装置の仕組みと原理、電波の送受信を行うアンテナ等々、幅広い知識が必要になります。 私の研究室では、これらの知識を総動員し、次世代のワイヤレスシステムの研究開発に取り組んでいます。
主な研究業績・最近の研究業績
- "Wireless Communications in the 21st Century"、共著(Edited by Mansoor Shafi, Shigeki Ogose, Takeshi Hattori)、2001年6月、IEEE-WILEY BOOK、(分筆 Chapter 6)
- 梅比良正弘, 加藤修三, "位相補償フィルタを用いたバースト搬送波再生回路の設計と特性," 信学会論文誌Vol.J78-B-II, No.12, pp.735-746, 1995.
- M. Umehira, M. Nakura, H. Sato and A. Hashimoto, "ATM Wireless Access for Mobile Multimedia : Concept and Architecture," IEEE Personal Communication Magazine, vol.3, no.5, Oct. 1996.
賞罰
- 2021年 電子情報通信学会 第82回功績賞 News & Topics
- 2022年 第72回「電波の日」総務大臣表彰 News & Topics